自社株取得の目的は、いくつか考えられます。
①株主への還元
株価は1株あたりの株式価値を下回っている場合は、自社株買いを行うことにより、現金で割安な株を買うことになるので、将来的に株価は上昇します。
経営者は投資家よりは自社の適切な株式価値を把握できています。自社株買いをするということは、経営者は現在の株価を割安とみているということです。自社株買いに市場も好感して株価が上昇するのです。(アナウンスメント効果)
②資本構成を変えて、WACCを下げる
WACCは、株主資本コストと負債コストの加重平均になっています。自社株買いにより、資本コストの高い株式の比率を減らすことで、WACCを下げます。WACCを下げることで、企業価値は高まります。
③ストックオプションやM&A等への活用
取得した自社株をストックオプションとして付与する、M&Aを含む資本・組織構成の再編などにも活用することを目的とする場合があります。この場合は、自社株保有(金庫株)の形で経営の自由度の確保を狙います。