日経新聞(09年4月17日)によれば、今回のアデランスホールディングスTOBでは、金庫株を除く、発行済み株式総数の内の56%が実質的な応募対象であり、成立にはその中の50%を獲る必要があるとのこと。
ユニゾンの提示するTOB買取価格1,000円(17日終値はそれより高い1,045円だが。。)とすると、時価総額420億円程度。その52%の半分を獲得するには、110億円前後の資金が必要となる。
但し、このTOB成立後には、ユニゾンは3人の取締役と社外取締役(リヴァンプ(元ファーストリテイリング社長)玉塚氏)が経営陣入りする。
先日の記事にも掲載したが、現在PBR=0.65倍。現金140億円以上も保有しており、ユニゾンとしては、Reputation Riskを無視すれば、の話しだが、最悪、アデランスホールディングスを清算すれば、確実に元は取れるDealである。
(1)の記事で述べたが、今回のユニゾン・キャピタルの動き、スタンスは極めてクレバーだ。
知名度の高い玉塚元一氏を社外取締役に招聘したこともそうだが。クレバーでないと、バイアウト・ファンド・プレーヤーとしてはサバイブできないのも事実であろう。
ただ、この長引く不況の下、今後増加するであろう、株安をベースにしたファンドと組んだ非公開化、MBO(マネジメント・バイアウト)に対して、私たち個人投資家も、巨大な力を持つ彼らの行動原則、思考パターンへの理解を深めておくことは必ず必要になってくる。
とは言いつつ、あまり周囲に投資ファンド勤務者などいない方が殆どであり、情報も外部にあまり漏れてこない。
かように分析材料が少ない中で、NHKの連続ドラマにもなった、真山仁氏原作小説の「ハゲタカ」「バイアウト」シリーズは、ファンドの原理について、非常に勉強になる。皆さんには是非一読することを薦めたい。
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