VISAステーブルコイン決済導入でイーサリアム上昇か - 実践バリュー投資
先日の記事も書いたが、今回VISAがステーブルコインのUSDCの決済を始めることになった。VISAカードは世界200国で使えるので、この決済が広がれば、USDCを利用する人が世界に広がっていき、ドルが使われなくなるから、FacebookのLibra(リブラ)のように政府から待ったがかかるのではないかと危惧する人もいるであろう。
Facebookがマスターカード等と組んで、Libra(リブラ)というステーブルコインを始めると発表した時は、政府から寄ってたかってたたかれ、事実上その構想は潰された。
なぜ、政府の対応に違いがあるのであろうか。
以下の2点からであろう。
①世界に及ぼす影響力の違い
Libraは、28億人が利用するFacebook大手プラットフォーマが主導。
USDCは4千万人が利用するコインベースという規制監督下にある米大手仮想通貨取引所が主導。
②FRBが通貨の価値をコントロールか否か
Libraは、主要通貨のバスケットを裏付として発行(価格がドルと連動しない)
USDCは、100%ドルを裏付として発行(価格がドルと連動)
USDCがVISAと組んだところで、急激にUSDCが世界中に広まらないと読んでおり、広がったとしても、最終的にドルと1対1の交換になるので、FRBがコントール可能なのである。
USDCはある意味、中央銀行が発行するドルのデジタルマネーの位置づけである。
もともとブロックチェーンの技術は、中央集権型から分散型への流れを後押しする技術であるが、ブロックチェーン上で動くUSDCであっても、中央集権型の通貨には変わらないのである。
通貨は世の中の人々を支配する上での根幹であるから、支配側からすればその仕組みを手放すわけがない。本当の意味での分散社会はまだ遠い先であろう。