通貨切り下げ競争のなれの果て

本日もよろしくお願いします。

■ 前日の市況
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●株式
香港ハンセン　
20,889.01
(-92.81)

ドイツDAX指数　
6,010.91
(+5.75)

ＮＹダウ　
10,174.41
(-39.21)

日経平均　
9,116.69
(-62.69)

日経225先物（シカゴ）　
9,045
(-115.00)

●為替
通貨の強弱（弱→強）
（ユーロ→ドル→円）

ドル−円
85.26
(-0.40)

ユーロ−円
107.94
(-0.83)

ユーロ−ドル
1.2658
(-0.0052)

●債券
米国10年債　
2.60%
(-0.02%)

日本10年債　
0.95%
(+0.01%)

●商品
NYMEX 原油先物
72.92
(-0.53)

■ 相場コメント
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（アジア）
・中国株、香港株とも下落。

・アジア最大の製油会社、中国石油化工
の4−6月（第2四半期）決算の減益で、
世界の景気後退に対する懸念が強まった。

（欧州）
・欧州株は小幅上昇。

・Ｍ＆Ａ関連のニュースが相次いだこと、
豪州の選挙で与党が過半数に達しなかっ
たことで、資源税提案が撤回されるとの
期待から鉱山株に買いが入ったことなど
が株価指数を押し上げた。

（米国）
・米国株は下落。

・Ｍ＆Ａ関連のニュースを好感したもの
の、景気減速懸念が根強く、株式相場は
下落、出来高は今年の最低水準に落ち込
む等相場に勢いはない。

（全体）
・世界の景気減速がじわりじわりと広
がっている印象。

・これを受け、欧州、米国に続き、中国
も最近人民元を安く誘導しており、消去
方的に通貨の価値が下落していない円に
資金が集中して、円高を招いている。

・円はいわゆる通貨切り下げ競争の犠牲
になっている状況。

・通貨切り下げは、自分の国の需要が足
りないがために、自国の製品を極端に安
くし、他国の需要を奪いとるという政策
になる。

・ただでさえ少なくなっている需要を他
国に奪い取られた国は、国内産業が壊滅
的な打撃を受ける。そしてリストラによ
り失業率が上昇して景気の悪化を招く。

・通貨切り下げは、つまり、隣国を犠牲
にする政策である。

・世界大恐慌の後の1930年代も同様に
この通貨切り下げ競争が起こった。

・当時も、経済危機の克服を目指した通
貨切り下げが行われ、これに対抗するた
め、他国による関税引き上げなど輸入を
規制する保護主義的な措置を招いて、
世界の貿易が停滞した。

・その結果、世界全体の需要がかえって
縮小し、世界全体の景気が一斉に冷え込
でしまったのである。

・結末は、経済活動で他国から利益を奪
えないなら、軍事力で利益を奪えとばか
りに第二次世界大戦に突入していくこと
になったのである。

・今はまさに通貨切り下げ競争のまった
だなか、ここで日本が通貨を切り下げれ
ば、世界中に緊張が走るであろう。

・通貨の代替である金が急上昇する日も
近いのではないか。

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