投資家ジム・ロジャーズは一貫してコモディティ(商品)市場に強気の見方をしている。2009年6月11日の大和証券投資信託委託(株)のインタビューではこのように発言している・・・。
(1)コモディティ相場は2008年12月初旬が底で強気相場は終わっていない。
(2)食料、鉱山、原油等今後長期に渡り、生産量、産出量は減少し、大きな供給は見込めない。
(3)これまでの景気対策、低金利により過剰なマネーが供給されている。
(4)コモディティの過少供給とマネーの過剰供給は物価高をもたらす。これは歴史が示しているところ。
(5)景気が回復するなら、コモディティの過少供給とマネーの過剰供給は物価高をもたらすので、コモデティが良い投資先になるし、景気が回復しない場合でも、コモディティの過少供給とマネーの過剰供給の構図が変わらないので、結局コモデティがベストな投資先ということになる。
コモディティと株式の動きをチャートで見てみると、両方とも2009年3月に底を打ち、そこから6月まで上昇に転じている。この上昇は低金利政策によるマネーの過剰供給と景気回復期待によるものであろう。
株式の場合、マネーの過剰供給と景気回復期待で株価が騰がったが、ここにきて景気回復期待(企業業績回復期待)が剥げ落ち、その分株価が下がった。今後、景気回復が一層鮮明になってこないと本格的な上昇に転じないであろう。
コモディティの場合はどうか。こちらもマネーの過剰供給と景気回復による物の需要増加期待で騰がったが、ここにきて景気回復期待が剥げ落ち、その分価格は下がった。ただ、景気回復しない場合、コモディティの生産量、産出量は一層減少することから、需要が下がると同時に供給も減少する。よって、コモディティの過少供給とマネーの過剰供給の構図は変わらないのである、つまりコモディティの価格は下がりにくいといえる。
中長期的に考えれば、ジム・ロジャースがいうように景気回復するかしないかにかかわらず、上昇していくであろうコモデティ投資は、リスクは比較的小さくリターンが大きい投資となるので、よい選択といえよう。