ナンピン

理論株価が1,500円、購入株価が1,000円、購入株数1,250株、ロスカット値920円とします。昨日まで1,100円でしたが、本日はマーケット全体の急落を受け、920円となりました。
どちらを選びますか？
①ロスカットして、損を確定させる。（損失：80円×1,250株＝100,000円）
②マーケット全体の急落の影響だから、この企業のファンダメンタルが変わったわけではない。逆に割安でチャンスだから920円で１,250株買い増す。

①の場合、損失は確定です。
②の場合は、損失は確定していませんが、リスクは増大します。
さらに急落し、840円となりました。（損失：160円×1,250株＋80円×1,250株＝300,000円）
もう、ロスカットなんかできません。買いますしかないと思ってしまうのです。そしてリスクだけがどんどん増えていきます。挙句の果てに投資資金はすべてつぎ込み、買い増しもできず、過大なリスクを負ったままあとは塩漬けです。
ナンピン、これは誰もが一度は経験していると思います。

ナンピンを辞書で引くと以下のとおりです。
難平（難＝損を均す意）
１．取引で、思惑に相違した相場の変動によって損が生じた場合、買い増しまたは売り増しして損失を平均化し、回復しようとすること。
２．〔1を資金の裏付けや見通しなく行なって大損をすることから〕身の程知らず。愚か者。

まったく、身の程知らずの愚か者ですよね。知らないうちに過大なリスクをとっているのです。
過大なリスクをとらないようポジション管理とロスカットルールを必ず守りましょう。ナンピンという悪魔のささやきに負けてはいけません。