(後半)
1971年に基軸通貨ドルと金との交換を停止しました。
金と交換できないからといって、はたしてドルは紙切れになり、使われなくなったのでしょうか。
そんなことはありませんね。
ではなぜ、金と交換もできない紙切れのドルを使うのでしょうか。アメリカでは誰もがドルを使っているから、物と交換できるから、突き詰めると、みんなが信用しているからと答えるでしょう。
ではなぜ、金ど交換できないドルをみんなが信用するのでしょうか。アメリカ政府が何か保証してくれているのでしょうか。
ここで、モズラーの名刺の話を思い出しましょう。モズラーの名刺がドル紙幣だと考えて、話を追っていきましょう。
最初、親(アメリカ政府+FRB(※))が子供たち(アメリカ国民)に名刺(ドル紙幣)をあげるから家のお手伝い(労働)をしてとお願いしたら、最初、子供たちは、そんな名刺は何の価値もないから無視してお手伝いをしませんでした。
そこで親が毎月10枚名刺を親に返しなさい、返さなかったら、この家から出て行ってもらうと宣言しました。そうするとどうでしょう。子供たちは家から出て行きたくないがために、毎月10枚の名刺を獲得しようと、お手伝いを始めたのです。
同じように、アメリカ統合政府(アメリカ政府+FRB)は、アメリカ国民に納税義務を課してします。統合アメリカ政府に対する納税は、何で納めるのでしょうか。モズラーの名刺ですか、違いますよね。FRBが発行するドル紙幣です。
アメリカ統合政府にドル紙幣で納税しなかったら、アメリカには住めません。だからアメリカ国民は、せっせと働いてドル紙幣を獲得しなければいけないのです。
こうして、ただの紙切れであったドル紙幣が、アメリカ国民の間で価値を生み、アメリカで流通するお金(通貨)に変わるのです。
日本でも同じことが言えます。日本で生活するのであれば、日本円で納税しなければなりません。よって、日本では、円紙幣が価値を生み、日本で流通するお金に変わるのです。
結局、現代のお金である紙幣の価値の本質は、その国で生活できるという保障であり、それを担保しているのは、その国の経済力(物やサービスを生産する力)であると言えます。
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